06  『五条坂』


平安から続く清水焼のメッカをコンセプトにした作品。浅見家伝承の象嵌(ぞうがん)技法(生地に印で凹みを作り焼いた後、凹みを白い土で埋め、余分な土をふき取り再び焼く)を用いている。
 

この作品は、デザインを考えるのにもっとも時間をかけました。東山に生まれ、四季折々を見てきた自分の想いをどう作品に反映するか、自分の持つ技術の中でいかに五条坂を表現するか、そんなことを考えながら制作しています。中央のラインが五条坂、周囲の細かい柄は木や草花などを抽象的に描いたものです。季節や見る人の感性によって見え方も違ってくるはずですよ。

浅見五郎助  Gorosuke Asami

 
嘉永初年(一八四七年)頃、五条坂にて浅見家の初代五郎助が登り窯を築く。
創業以来各代に亘って伝統工芸の興隆発展に努め、一九四三年には国より三島手の技法の技術保存作家の指定を受け、五郎助風の作陶は益々高く評価され、特に洗練された味わいをさりげない素朴さで表現した三島手・刷毛目手を最も得意としている。