11  『清水の舞台から望む』


清水の舞台から見える京都を描いた作品。鉛筆コンテで描かれた線に透明水彩絵の具で着彩。ドローイング(線を重ねて描く手法)によって微妙な空気感を表現している。構図は清水寺の擬宝珠(ぎぼし)を前面に押し出したもの。
 

清水寺の擬宝珠は何百年も前からそこにいて京都の街を見ているんです。擬宝殊を人に見たて、そこに佇んでいるように描きました。描く際には、特に光の表現や質感にこだわっています。私はこれまで、失われていく景色を残す意味も込めて古い建築物などを多く描いてきましたが、今回の作品は普段と少し違ったものに仕上がったと思います。

水津俊和  Toshikazu Suizu

 
1951年 島根県津和野に生誕
1974年 京阪電鉄入社
1994年 「16歳になった我が娘」でOBP文化祭金賞
1998年 「鉛筆コンテが観た京阪沿線の建築物」個展
2005年 「鉛筆コンテが観た関西のふる里」個展
2007年 「鉛筆コンテが観た関西えーとこ」個展
2009年 「鉛筆コンテが観た京阪沿線の美景」個展